鳴木屋輪店の歴史

 

 自転車に求められるものはなんだろうとずっと考えていました。自転車の価格は生活自転車を中心にドンドン下がっています。良いものももちろんありますが、価格を優先しているがために、品質とその組み立てる際の手間が省かれているのでは?と疑問に思うものが有るのも事実。
 自転車は完全な製品として店頭に来るのではなく最終的な組み立て、調整は店にて行なわれます。また、車両として、定期的なメンテナンスが必要な乗り物です。
 最近では完組みといわれる形態でパッキンをはずし、ペダルを取り付ければ乗れる状態で届く物もありますが、それでは気持ちよくお使いいただけるとは思っておりません。車輪の回転のスムーズさの調整やワイヤー類にオイルを通したり、ブレーキもお使いになる方のての大きさ等にあわせて調整する等、しっかりと手間をかけて組み上げる事で気持ちよく安全にそして、長くお使いいただけます。たとえ同じ自転車でも専門店で組み上げたものと、そうでないものではまったくの別物です。その違いが出るような組み立てを心掛けております。
 生活自転車にもスポーツバイクにも共通して求められるものは「安全と快適」。大正のころから上北沢で自転車店を続けてこれたのも先々代から「安全快適」を続けてきたからだと思っています。
 これからも「安全快適自転車」、それに加え「自転車の楽しみ」もご提供していきます。

 私の祖父の兄が自転車店としての鳴木屋を始めました。(その前は金物雑貨をしていたらしいです。。鳴木屋の屋号自体は上北沢の文献では江戸時代あたりで出て来ます。) しばらくして二子玉川にあった酒蔵に丁稚奉公に行っていた祖父 新吉がもどり、父 久雄、そして私まで上北沢にて商いをさせていただいております。
 関東大震災と第二次世界大戦にて2度、店舗は焼けたため、たまたま、離れた親戚の家にあったこの写真しか古いものは残っておりません。この写真は祖父の話では昭和6年頃の鳴木屋輪店主催の高尾山ツーリングのときの集合写真です。中央に祖父が写っております。当然若者です。(笑) 甲州街道はまだオフロード状態。牛車も走っていた頃です。マウンテンバイクなどありもしない時代に実用車でサイクリングを楽しんでいたようです。すばらしいですね。なにやら意味ありげな、車まで写っています。当時、自転車は職人さんが3ヶ月分の給料でようやく買えたものだったそうです。写真に写るお客様がスーツや制服を着ているところが自転車のステータスの高さを感じます。